近隣トラブル
近隣トラブルの特徴
近隣トラブルの特徴として、法的判断による解決が難しい、精神的ストレスが大きいということが挙げられます。
すなわち、まず、ご近所同士の紛争は、その居住環境から、今後もある程度のつきあいを続けざるを得ないことが多く、裁判所による法的判断により一方が勝訴判決を得たとしても問題の本質的な解決とはならないことが多いといえます。
さらに、近隣トラブルは、仕事の悩み等とは異なり、自分が生活している中で抱えるトラブルであるため、精神的ストレスが大きいという特徴も有しています。
近隣トラブルの対処法
近隣トラブルに対しては、今後もつきあいが続くということを念頭において対処すべきです。
このような観点からは、まず、話し合いで解決を図るのが効果的です。その際、法律、条例等の何らかの客観的な根拠をもって話し合いに臨むと説得力が増すでしょう。
次に、話し合いで決着がつかない場合も、いきなり裁判を起こすのではなく、調停(裁判所という場所を借りた話し合い)や、あっせん・仲裁(私人である第三者を判断者として、その者に判断を委ねる解決方法)など、裁判よりも穏やかな紛争解決手段が望ましいでしょう。
なお、近隣トラブルの相談先として、法的なアドバイスや話し合いの場を提供している各都道府県の弁護士会や各自治体の法律相談、仲裁・あっせんセンターなどの各種の専門機関がありますので、それらの機関を積極的に利用することもおすすめです。
近隣トラブルの具体例とその対処法
個人宅のピアノ等の音のような生活騒音については騒音規制法の規制対象外ですが、地方公共団体が条例により規制基準を定めている場合があります。例えば、東京都では、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」により、日常生活における騒音の基準を地域、時間帯毎に定められています。この条例では、規制に違反して周辺の生活環境に支障を及ぼしている者に対する知事からの騒音発生行為停止・騒音防止措置の勧告や命令の制度のほか、命令違反者に対する1年以下の懲役または50万円以下の罰金も定められています。
したがって、このようなトラブルの際は、地方公共団体の担当窓口に相談し、規制違反があれば、地方公共団体から騒音主に注意をしてもらうとよいでしょう。
さらに、地方公共団体からの注意の後も騒音が収まらないときは、条例に基づいて知事から騒音防止の措置をとるよう勧告や命令を出してもらうよう促すとよいでしょう。
加えて、騒音の程度が、社会生活を行う上で受忍すべき限度を超える場合には、自ら裁判所に訴訟を起こして騒音の差止や慰謝料を請求することも考えられます。
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